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整備士の平均年収はいくら?
本当に整備士の給料は低いといえるのでしょうか。データから整備士の平均年収をみていきましょう。
整備士の平均年収は?
平成30年賃金構造基本統計調査によると整備士(自動車整備業に勤務する者)の月給は29.4万円で、 年収は426.7万円となっています。これは社会保険料なども含めた総支給額であり、手取り額となると、月収ベースでは2割程度少ない数字と考えられます。
過去9年の年収をみると年々上昇しており、9年間で年収が38.4万円上がっています。この数字は全産業の平均より多く、上昇傾向が強いといえます。
企業規模と給与の関係をみてみると、「10〜99名規模の企業」で年収396.5万円。「100〜999名規模の企業」で年収425.9万円。「1000名以上規模の企業」で年収425.9万円となっており、企業規模が大きいほど年収も多くなっています。
また、年代別の給与のデータをみると、月給の伸び率、最もよいのは20代前半から後半にかけてです。そして年収のピークは45歳〜49歳で、その後は緩やかに減少しています。
つまり、整備士は、若い見習い時代をすぎ20代で技術がついてきたときに給料が上がり、その後は大幅な昇級は難しい職業といえるかもしれません。ただ9年で給与が上がったところを見ると今後給与が上がることは予測できますね。
出典:「平成30年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2018/index.html
整備士は給料が低い」というイメージがある理由
データでは過去9年間給与が上昇しているものの、現場ではその実感が薄いかもしれません。ではなぜ整備士の給料には低いイメージがあるのでしょうか。
業界の問題
業界の業績がよくないと、当然働く人の給料に直結します。昨今は若者の車離れが指摘されています。車にこだわらず、必要最小限の整備だけしてもらえばいいという人が多くなると自動車整備業界としては、業績は伸びなやみます。
また、自動車整備にはリフトなどの大きな設備や特殊な工具が必要です、それをリース契約しているケースが多いです。購入したとしてもその費用を回収するまでにはかなりの時間がかかることが想像できます。この環境を維持するには多額の費用が必要で、従業員の給料アップまで手が回らないという会社も多いのではないかと考えられます。
職種の問題
例えば、セールスの最前線である営業職は売上の数%を給料に反映できるインセンティブ制度があるため、給料アップの幅が大きくあります。また、個人の売上をあげることで会社の売上にも直結し、個人の評価につながるのです。その分、営業職はノルマや目標が厳しく、ときには追われることもあるでしょう。
一方、整備士は営業でお客さんを増やすのではなく、整備士としての技術が求められます。個人の技術を高め、会社の品質をあげて、お客さんからの信頼を掴むことが評価につながります。自らの企業価値を高めていくことで、給料が上がってくるでしょう。
そのため、見習いの間は「技術」を評価されるのは難しいことが多いでしょう。
給料を上げるためにはどうしたらいい?
では、どうすれば整備士は給料を上げることができるのでしょうか。ここでは、資格の取得など、整備士の給料を上げる方法について紹介していきます。
高い給料をもらう整備士
整備士の国家資格には1級、2級、3級、特殊の4つがありますが、もしあなたが2級や3級しか保持していなのなら、さらに上の資格を取るのもひとつの方法です。1級や特殊であれば、資格手当が付く場合もあり、より高度な業務に関わることができ、昇級につながることも考えられます。
また一般的に、ディーラーの自動車整備士は比較的給料が良いといわれています。特に大手メーカーであれば、資格手当、家族手当、残業手当などがきっちりと支給される傾向にあります。特に賞与に関しては、民間の小さな工場では支給が約束されていないケースもありますが、大手であればよほどのことがない限り、年2回の賞与は支給されます。冒頭でご紹介したデータからも、規模が大きい企業ほど給与が高いという数字が出ていました。
ただ、大手の有名メーカーだからといって必ずしも給与総額が高いわけではないです。
独立する
長く人の下で働いていても給料が上がるのは難しいようであれば、独立して自分の整備工場を持つのも方法です。自分が経営者になれば、あらゆることを自分で決められるので、自由な働き方ができます。しかしそれは同時に大きな責任を負うことでもあります。開業には様々な条件をクリアしなければなりませんし、資金面でも周到な準備が必要になるでしょう。
従業員を雇うとなれば、生活の保証が大前提となりますので、それを十分担保できるような仕事を確保し、健全な資金の流れを作る努力が必要です。いずれにせよ、企業となると開業場所、資金、新規の仕事など、多方面を固めてからになるので、思い立ってすぐ取りかかれるものではありません。
転職する
もしもあなたが今の職場に疑問を抱いているのなら、他により自分の技術を評価してくれる会社がないか探してみるのも良いでしょう。
同じ自動車整備工場であっても、会社によってメインで行っている業務の性質や単価は違います。緊急の整備などより、定期的な大口の車両整備を請け負っている会社の方が、利益が多い傾向にあります。そのような会社は給料も比較的よい可能性はあります。
また、整備士にこだわらず、車関連の別の職業に就くという選択肢を考えてみるのもよいかもしれません。整備士という国家資格を持ち、現場で養ってきた経験と知識は、他の職種にもきっとプラスになるはずです。
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まとめ
もっと高収入を得たいと感じている人は少なくありません。真面目に仕事に取り組むことができ、知識も技術もある人材が、能力に見合った好待遇を受けられないのはとてももったいないことです。視野を広げてみると、あなたの頑張りをしっかりと評価してくれる職場があるかもしれません。
整備士の仕事に未練があるという方も、心機一転他の職種にチャレンジしようと考えているかたも、一度クルマヤドットネットをチェックしてみてください。車関連の仕事にまつわる多くの情報をご用意しております。あなたの新しいチャレンジをクルマヤドットネットが応援いたします。