未経験でも整備士になる方法!資格の取り方や仕事ができる年齢などを紹介

自動車整備士は、高度な自動車整備の知識と技術を持ち、自動車の安全で快適な走行を実現するスペシャリストです。車が好きな人にとっては、憧れの職業ではないでしょうか。 整備士の仕事は、未経験者でもなれるということはあまり知られていません。そこで、整備士になりたい人に向けて「未経験者が整備士になる方法」や「未経験者のステップアップの道筋」について解説します。

この記事は約8分で読み終わります。

未経験でも整備士になれるの?

整備士は、未経験者でもなることができます。しかし、有資格者と未経験者では、担当する範囲や仕事内容が大きく異なります。ここでは、未経験者が整備士として行う仕事についてみていきます。

未経験・無資格でできる整備の仕事

自動車の整備には、資格者ではないとできない工程と、無資格者でもできる工程があります。多くの工場では、工程ごとに作業を行うので無資格者でもできる作業があります。そのため、無資格者でも募集している求人も少なくありません。

エンジンや足廻りに関わる部分は、整備不良があると重大な事故に繋がりかねないため、有資格者のみが整備できることになっています。

それに対して、タイヤやエンジンオイルの交換は、無資格者でもできる作業です。また、板金塗装は、マスターするまでに長年の経験が必要な工程ですが、無資格でも一から学ぶことができます。

その他、無資格者の仕事には、資格を持つ整備士のサポートや、掃除などの雑務があります。

無資格で整備士の仕事をする苦労

自動車整備は、整備不良があると事故の原因になってしまうため、無資格者が行う作業は限られてしまいます。

実際の作業現場では、有資格者は資格の必要な工程を、無資格者はそれ以外の工程や雑務全般を担当することになります。

作業範囲も、ガソリンスタンドやカー用品店でもできるような比較的簡単なものに限定されます。そのため、仕事に慣れてしまうと、やりがいを感じられなくなる可能性があります。

自動車整備工場では、あらゆる工程を担当できる有資格者が歓迎される傾向にあります。とくに就職に強いのは、自動車整備士2級以上の資格保有者です。

また、無資格者は整備できる範囲が限定されるため、有資格者と比べて応募できる求人数が限定されます。さらに、求人に条件がないため、誰でも応募でき、競争倍率が高くなることもあります。

無資格で整備工場に就職できたとしても、多くの場合、資格の取得を促されます。というのも、有資格者はすべての整備工程に関われる上、無資格者の仕事もできるからです。

工場は、率先して無資格者を雇う理由がありません。他によい有資格者の応募があれば、そちらを優先したいと考えます。

整備士として長期に渡って安定的に働きたい人は、資格の取得が必要不可欠です。

さらに、無資格者は携わる整備範囲が限定されるため、整備士に必要な技術を実践で学ぶことができません。実践的な技術が身に着かないようでは、ステップアップも望めません。整備士としてのキャリアを積む上でも、資格を取ることが条件になります。

未経験で整備士になるときの年齢は?

未経験で整備士を目指す場合、年齢制限はあるのでしょうか。ここでは、整備士の年齢について、留意点を確認します。

基本的に年齢制限はない

整備士には年齢制限はありません。会社によって「何歳までの応募者を取りたい」という思惑はあっても「年齢がネックになってできない仕事はない」のが、整備士の特徴です。

自動車整備士の資格を取得する一つの方法として、整備士の専門学校に通うことがあげられます。整備士になることと同様、専門学校の入学にも基本的には年齢制限はありません。

しかし、学校やコースによっては、高校を卒業したばかりの10代の人がほとんどの場合もあるため、事前に年齢層や社会人学生がいるかを確認しておくと安心でしょう。

とくに社会人を積極的に募集している学校では、社会人経験のある人が多く在籍していることもあり、年齢が気になる人にとっては学びやすい環境といえます。

また、自動車整備士には、20代の男性が多いイメージがあります。しかし、実際は、平均年齢は44歳と思いの外高めで、20代後半や30代から働き始めてもとりわけ高いということはありません。

工場では幅広い世代が働いているため、年齢が高い人でも疎外感を感じることは少ないでしょう。

年齢が高い場合に気にしておきたいこと

整備士になるのに年齢制限はありません。しかし、年齢が高いことで、身体機能の面で不利になることもあります。以下では、年齢が高い場合に確認しておきたい点を説明します。

・仕事を覚えることはできるか

一つが、仕事を覚えられるかどうかという点です。車の整備の仕事は、部品一つひとつに決まった整備の方法があります。自動車パーツは膨大な数にのぼるため、若年層でも作業を覚えるのに「大変だ」と感じることもあります。

また、近年の整備工場では、コンピュータを操作して道具を扱うことが多くなっています。コンピュータの操作が苦手な人は、操作方法を覚えることに苦労するかもしれません。

・体力に自信はあるか

整備工場では、自動車のパーツや道具を運ぶことも少なくありません。なかには重い機材もあるため、ある程度の体力は必要です。

また、工場内は空調が効かないこともよくあります。夏場は高温、冬場は極寒のなか作業をすることも。基礎的な体力がない人は、体調を崩してしまうこともあります。整備士には、体調管理の能力も必須です。

しかし、工場で働く人の年代はさまざまです。40代以上の人も多く働いており、20代でないと務まらないというほど過酷ではないようです。

・希望する年収になるか

一般的に、仕事のスタート時期は早ければ早い方が有利です。早くから仕事を学ぶことで、専門性を深められるからです。また、長年勤めることで、会社からの信頼も積み重ねられるため、出世の道も期待することができます。

整備士の仕事は、売り上げが目で見える営業職などとは違い、成果が明確に判断しづらい仕事です。また、チームで作業をするため、一人だけ目立って成果をあげることも望めません。そのため、出世や昇給にはある程度時間がかかるでしょう。

今の年齢から初めて、どこまで年収が増やせそうかも重大なポイントです。

未経験で整備士の資格を取得する方法

未経験者の場合、整備士資格を取る道筋は2つあります。専門学校に入学する方法と、実務経験を積みながら資格取得を目指す方法です。以下では、未経験者が整備士を目指す方法を詳しく解説します。

無資格者はまず3級自動車整備士を目指そう

無資格者の場合は、まず整備士3級を目指すことになります。専門学校などに通っておらず無資格の場合は、実務経験を積むことで受験資格が得られます。

実務経験は、整備工場ならどこでも積めるというわけではありません。一定の規模と設備、人員を備え、地方運輸局より指定された「指定工場」や「認証工場」に勤める必要があります。就職の際は、就職先が指定工場または認定工場かどうかを確認しましょう。

整備士3級の取得に必要な実務経験は1年以上です。経験年数を満たすと、資格試験を受けられます。試験には学科試験と実技試験があります。

未経験者にとっては、実技試験が最大の壁になります。職場での練習や、民間の研修講座等を利用して、必要な技能を身に着けるようにしましょう。

自動車整備学校に通う場合は2級

高校卒業以上の学歴がある場合には、自動車整備学校に通うことで、最短で整備士の資格が取得できます。学校入学で目指す資格は、2級整備士です。2級整備士は基本的な整備が一通りできるため、学校卒業後の就職が有利になります。

また、多くの自動車整備学校では、入学者を増やすため、就職率を上げたいという思惑があります。そのため、手厚い就職サポートや就職後の定着サポートを受けられるというメリットもあります。

整備士2級を取得した後は、整備士1級や特殊整備士の取得を目指すことになります。より高い待遇やポジションを目指す場合、これらの資格が優位に働きます。

自動車整備士として働きながら資格を取る

自動車整備学校では、整備士2級の資格取得や就職の面で有利です。しかし、総額250万円程度の学費が必要であり、入学のハードルは決して低くはありません。

そのため、独学で勉強をして資格を取る方法もあります。独学の場合、まずは整備士3級を目指すことになります。

整備士3級は、指定工場や認証工場での1年以上の実務経験が必要なため、仕事がそのまま勉強にもなります。実務をやりながら学科の勉強を同時並行ですることで、学習の効率も上がるでしょう。

転職支援サービスを利用する

以上のことから、未経験者でも整備士になれますが、整備士の求人は多数あるため、未経験者を一から育てる想いがある企業を探すことは容易ではありません。

また、未経験者は「応募書類や面接でアピールすることがない」と悩むことも少なくありません。整備士のような特殊な仕事であれば、前職の経験がどのように仕事に役立つか分からないためです。

そこで、自動車業界に精通した転職サポートの利用をおすすめします。 クルマヤドットネット は自動車業界特化の転職エージェントです。業界に詳しいキャリアコンサルタントが、未経験者でも活躍できる求人をご案内します。

また、応募書類の書き方や、面接対策も行います。あなたの強みを棚卸し、アピールポイントを発見します。そのため、自信を持って選考に臨んでいただけるようになるでしょう。

また、クルマヤドットネットでは、オートテクニカルアカデミーという整備士の研修講座を用意しており、就職後のキャリアアップを支援することもできます。

まとめ

未経験者は、働きながら資格取得を目指すことで、プロの整備士になれることが分かりました。

整備士の仕事は、年齢や経験を問わず、広く門戸が開かれています。未経験者でも、熱意があれば挑戦できる仕事です。

「挑戦したい!」と思ったそのタイミングで、行動されてみてはいかがでしょうか。