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女性でも自動車整備士になれるのか?
車好きな女性の中には、整備士に憧れを持つ人も少なくありません。「男性ばかりの職場」のイメージがある整備士の仕事ですが、女性整備士も活躍しています。
以下では、女性でも整備士になれる理由を解説します。
女性の自動車整備士はいる?
整備士現場では、少数ながら活躍している女性もいます。整備の仕事に携わる女性は全体で17,882人、割合は4.5%程度です。また、整備士に限るとさらに人数は少なく、10,908人、整備士全体に占める割合は3.2% 程度しかありません。
しかし、平成29年度こそ女性整備士の人数は微減となりましたが、平成26年~28年にかけて大きく増えており、今後、女性整備士は徐々に拡大していくことが予想されます。
(参照:一般社団法人日本自動車整備振興会連合会、平成29年度調査)
自動車整備士に女性が必要とされている
整備現場では、女性整備士が増えるに従って、女性ならではの働きが評価される向きがあります。以下では、女性が整備士に向いている点について紹介します。
・仕事が丁寧
自動車整備の仕事は、思いの外、繊細な業務が多いです。万が一整備不良があれば、重大に事故に繋がってしまう危険性があるため、整備士には、一つひとつの部品を丁寧に整備することが求められます。
その点、女性は一般的に丁寧に仕事をすることができます。正確な整備は安全性に直結するため、整備士の仕事においては大きな強みになります。
・心配りができる
女性の長所は、気配りや心配りができる点です。自動車の部品を相手にする仕事であっても、整備の見落としや不良個所への気づきに繋がるため、気配りや心配りは重要なスキルです。
また、整備士として経験を積むなかで、フロント業務を任されることもあります。フロント業務では、お客様の要望を伺ったり、サービスの案内をしたりするため、コミュニケーションスキルに優れる女性は存分に強みを発揮することができます。
・手先が器用
一般的に、女性は男性に比べて、細く繊細な腕や指を持っています。そのため、男性の太い腕や指では扱いにくいような狭い箇所や、繊細なパーツを整備する時に重宝されます。
女性が自動車整備士になるためには?
ここでは、女性が整備士を目指す上で必要な資格や具体的な道筋を紹介します。
自動車整備士の種類
自動車整備士は、自動車整備に関わる高度な知識と技能を持つエキスパートです。自動車整備士になるためには、国家資格である自動車整備士の資格を取得する必要があります。資格には、1級~3級と、特殊整備士の4種類があります。
・1級自動車整備士:
整備士の最上級資格です。あらゆる車種の整備ができる上、安全配慮に関する専門知識や、整備リーダーとしての指導力を持つことを証明します。
・2級自動車整備士:
自動車整備士のスタンダード資格です。一般的な整備が一通り行えるため、就職では2級以上の資格保有者が有利になります。
・3級自動車整備士:
基礎的な整備知識を保有していることを証明する資格です。エンジンや足廻りなど、とくに安全に関わる部位については、整備することができません。
・特殊整備士:
電気装置やボディフレーム、タイヤについて、とくに専門的な知識を持つことを証明する資格です。上記3つの資格に+する形で取得するケースが多いです。
整備工場では、無資格でも働くことができます。しかし、有資格者でないと整備できない部品もあるため、整備士としてキャリアを積みたいなら、最低でも2級以上の資格取得を目指しましょう。
自動車整備士になる方法
プロの自動車整備士として働くためには、資格取得を目指す必要があります。資格取得の方法は、大きく分けて2つあります。
1つが自動車整備学校に通う方法です。学校では、多くの場合整備士2級の取得を目指します。2級の資格を得て就職するため、即戦力として重宝されます。そのため、就職先に困ることはほとんどありません。
もう1つの方法は、未経験から実務経験を積み、資格取得を目指す方法です。その場合、まずは整備士3級の資格を狙うことになります。3級の受験資格を得るには、地方運輸局より指定されている「指定工場」または「認証工場」に就職し、1年以上の実務経験を積む必要があります。
女性でもなれる自動車整備士の魅力
整備士の仕事に、性別は関係ありません。ここでは、女性もなれる自動車整備士の仕事内容や魅力について紹介します。
自動車整備士の仕事内容
整備士の主な業務は、以下の4点です。
・点検
経年劣化や不具合などにより、自動車の部品が正常に働かなくなることがあります。そのため、定期点検や車検で安全な走行に支障が出ないかどうかを確認する作業が必要です。車の各パーツを一つひとつチェックし、不具合の有無を確かめます。
・部品交換
もし点検で問題箇所が見つかれば、必要に応じて新しい部品と取り換えます。また、お客様の希望に沿って、新しいパーツをつけることもあります。
・修理
車が故障した場合や点検時に不具合が発見された場合、パーツを取り外して分解し、修理をします。
・鈑金塗装
鈑金は、事故などで凹んでしまった車体の鉄板を元通りに成型することです。塗装は、鈑金で元に戻した鉄板の表面を滑らかに整えたり、色を塗ったりして元の外見に戻すことです。
勤務する工場によって実施する整備の種類が異なります。また、保有する資格によってできる整備も違ってくるので、自分がどのような仕事をしたいかを明確にしておくことが大切です。
自動車整備士の魅力
自動車整備士は、自動車が好きな人にとってはまさに憧れの職業です。そのような人にとっては、好きな車の点検をして修理ができることそのものが大きな魅力です。
また、仕事を通して自動車整備の技術を身に付けることができるため、自分の愛車を好みにカスタマイズできるようにもなることもメリットです。
また、お客様との関わりも整備士の魅力です。
車は「住宅の次に大きな買い物」といわれるように、お客様にとっては大切な資産です。お客様の愛車を預かることには大きな責任が伴いますが、トラブルを解決することで、お客様から深く感謝されます。
さらに、整備士はやりがいの大きな仕事です。なぜなら、車の不具合を事前に発見し、重大な事故に繋がる前に修繕することは、間接的に人の安全や命を守っていることになるからです。
その分大きな責任が伴いますが、車のユーザーや歩行者が安心して暮らせるのは、整備士のおかげといえます。
まずは職場に対する心構えを!
女性の整備士はまだまだ数が少ないです。職場によっては、自分以外の女性が皆無、あるいは、いても1名程度のことが多いでしょう。
整備士として働く上では、男性との関わりは避けては通れません。整備士の仕事はチームワークが重要です。相談事も、多くの場合男性にすることになります。整備士リーダーとして抜擢された場合、男性達をまとめ上げなければなりません。
また、当然のことですが、仕事の内容は男女平等です。なかには、重い部品を運ぶこともあるでしょう。女性でも男性と同じように力仕事をこなす必要があるため、不安がある人は、日頃から筋力や体力を鍛えておきましょう。
男性ばかりの職場であれば、女子トイレや更衣室がない可能性もあります。通常は何かしらの配慮をしてもらえますが、就職前に必ず確認しておきたいポイントの一つです。
女性が男性ばかりの環境で働く場合、不便を感じることは少なくありません。就職前に、どのような不便を感じることになりそうか、不安点を整理して、心構えをつくりましょう。
女性整備士に対する環境作りをしている
女性整備士の数を増やしていきたいと考えている企業では、女性が働きやすい環境作りに取り組んでいるケースがあります。例えば、以下のような取り組みがあげられます。
・女性用の工具や機器を導入
同じ工具や機器でも、重量が軽く、コンパクトな大きさのものの方が、女性は上手く扱えます。扱いにくい道具を無理に使わせるよりも整備の質が高まるため、女性用の工具を導入します。
・性別による作業分担
男性と女性では、体の大きさや筋力が違います。そのため、女性は男性に比べて、重い部品やエンジンの振動などに負担を感じやすい傾向があります。そこで、女性が負担を感じやすい作業を男性整備士に担ってもらうなど、役割分担を工夫します。
・設備の充実
既に女性整備士が働く企業では、女性の意見を取り入れて暖房設備を導入して、女性用トイレや更衣室を整備しているケースがあります。
・制度や体制
結婚や出産、子育てなどのライフイベントを経験した女性が復帰しやすい職場環境の整備です。具体的には、産休や育休明けの女性に対する業務軽減措置や、復職のための研修制度などです。
これらの配慮が充実している企業であれば、女性でも負担を感じることなく働くことができます。整備士の職場はまだまだ男性の多い職場ですが、女性整備士を積極的に採用したい企業は多くあります。
具体的な制度や配慮の内容については、求人票からはわからないことも多くあります。求人は、業界内部に詳しい専門家の意見を参考にして探してみることをおすすめします。
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整備士として働きたい女性の方は、ぜひご相談ください。
まとめ
整備士の仕事は、女性でも十分に活躍できることがわかりました。手に職をつけるということは、自身の強みとなってくれます。
女性も男性同様に活躍する時代です。就職では、女性整備士に理解ある企業とマッチングできれば、能力をさらに発揮することができるでしょう。