板金ってどんな仕事?転職する為の方法をご紹介!

車業界の仕事の中に製造や販売以外にも修理という仕事があります。そのなかに板金業があり、板金業は修理だけにとどまらず、特殊パーツの製造販売などその業務は幅広く対応します。今回は、板金業界への転職を考えている方向けに板金業界の基本についてお話します。

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板金とはどんな仕事?年収はどれくらい?

板金の仕事は昔に比べて多岐にわたっています。また他の職種と違って職人気質的なところも残っている職種なので、実戦で学びながらスキルアップをしていくというケースもあります。ここでは、板金業界の基本的なことについてお話します。

仕事内容

そもそも板金とは、金属を薄く延ばしたもの、常温で金属加工することと解されています。主に車のボディの修理などが仕事となっています。

板金自体は車業界専属というわけではなく、金属を扱う業界、例えば建築業界では建築板金、工場などで使う工業板金などがあります。

具体的な仕事は、車のボディのへこみやキズの修理となります。ボディのへこみを内側からたたいて直すことを外板作業といいます。

事故などで車のフレームが歪んでしまった場合に、その歪みを直すことをフレーム修正といい、損傷が激しい場合のパーツの取り換え作業を交換作業といいます。

板金の表記で「鈑金」があるのかというと、諸説あるようですが、本来の意味からすれば鈑金となるのが正しくなります。

板金業者の中にも鈑金としている会社もあります。ところが、「鈑」という文字が公文書で使えないため、やむなく鈑金ではなく板金としたと言われています。
意味として同じですので、表記の違いに関しては気にしなくて問題ありません。

年収

板金業界の平均的給与は正社員で32万円くらいといわれていて、年収にするとおおよそ426万円と言われています。

基本的には社会保険や雇用保険は完備、交通費も支給という会社がほとんどで、自動車整備士などの資格に対する手当などが支給される場合もあります。

ただし、転職する会社の規模によっても変わってくるので、カーディーラー直営の自動車工場などの場合は、ベースは上がる傾向にあります。

また、転職する会社で資格取得を推進していることもあります。その場合は資格取得費を補助してくれることもあるので、実質的な給与はもっと高くなるとも言えます。

板金業界は手に職の業界なので、経験が何よりも有利に働きます。前職で板金業をしていたなら、経験者優遇で給与待遇が上がることも考えられます。

逆に経験や資格がないと給与は望めないかというと、転職後の仕事や資格取得などの頑張りで取り返すこともできるので、悲観することはありません。

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板金のやりがいは?

板金業界で働く人が思う板金業界でのやりがいで最も多かったのが、修理箇所がきれいに修復できたときだといいます。

特にひどいキズやへこみの場合は修理にも時間も手間もかかるため、うまく修復できた時の喜びは大きいといいます。

そういった修復をお客様が喜んでくれたり、感謝されたりすることもやりがいのひとつに挙げられています。

また、板金技術は特殊技術なので、単純に技術習得がうれしいというものもあります。修復度合いは自分で見てもわかるので、達成度がはかりやすのも大きいのではないでしょうか。

逆に落ち込んでしまうときは、どれだけやっても思い通りの修復にならないときだといいます。ある意味自分の技術力のなさをまざまざと見せつけられることになります。

ただ、そういうことを機に新たに努力を重ねることで技術は向上し、前よりも早くそしてきれいに仕上げることができるようになります。

そういう意味ではあきらめが悪い人の方が、絶対やれるはずという感じ努力していくので技術力の向上は早いのかもしれません。

そんな側面もあり、板金業界は職人気質な業界ともいわれていますが、必要なスキルのサポート体制は整っている会社が多いので、比較的早くスキル習得は可能と言えます。

板金に向いている人の特徴

板金業界に向いている人は、基本的に同じ作業の繰り返しになるのでコツコツと作業することが好きな人だと言われてます。

また、板金では、キズのリペアやパーツの取り換えなど細かな作業が多く、集中力も必要になるので、集中力がある人も向いています。

さらに、前項でも触れましたが、いい意味であきらめの悪い人が向いています。なぜ自分にはできないのか、何が足りないのかを常に考えている向上心のある人は伸びます。

向上心のある人には、周りも協力してくるようになるので、自分の技術力向上はもちろん、チームで何をするときにも早くきれいに仕上げられることもあります。

技術向上を早くするためにおすすめなのは、業務日誌を付けることです。今日何をしたか、そのときどう思ったか、何が足りないのかなどを書き留めておきます。

業務日誌は、使いようによってはあなた自身のスキルブックにもなります。板金技術は常に進化しなければなりませんが基本となるのはどれも同じものです。

何か障害にぶつかったときに見返してみると解決のヒントが見つかるかもしれませんし、書き留めておくことで、ノウハウがひとつ刻まれることになります。

このように、ある意味マイナスの面もプラスにとらえて前向きに仕事に取り組んでいくことがとても大事なのではないでしょうか。

板金になるためには?

では、板金に転職をするためにはどういったことが必要になるのでしょうか。ここでは板金になる方法をご紹介いたします。

職業訓練校に通う

板金になるためには、初心者の場合は職業訓練校に通うのが最も近道です。職業訓練校では板金に必要な技術の基本を教えてもらえます。

職業訓練校では、1年間で板金や塗装、塗装仕上げ、磨き作業などの技術を、座学と実習を通して学んでいきます。

ほかには、板金店で見習いとして働くことも考えられますが、教育システムがない板金店の場合は、基本的なことも見様見真似で覚えることになるので時間がかかってしまいます。

当たり前の事ではありますが、転職先も可能なら基本的なことは身につけた状態での入社を希望しているところがほとんどです。

そういう意味では、板金の基本的なことを身につけているといないとでは、転職先が少なくなるなど転職活動にも影響してきます。

ちなみに、鉄板を曲げたり、伸ばしたりすることを塑性加工といい、職業訓練校でも塑性加工科で板金に必要な知識や技術を身につけられます。

自動車修理工場や板金工場で働く

工業高校で板金を学んでいたり、前職でも板金店に勤めていた場合は、そのまま転職することができます。

板金だけで言うなら特別な資格は必要ないので、資格取得にかける時間はありません。基本を身につけているならできるだけ早く実戦を経験すべきです。

理由は、板金技術は教わってすぐできるものばかりではありません。へこみの度合いやキズの具合はさまざまなので、経験を取らし合わせながら最善の方法を模索していくことになります。

ところが、経験値がないとそもそも模索する経験がないので、すぐに壁にぶつかってしまいます。

まずは現場でとにかくたくさんの経験を積むことが重要です。そして、なぜできなかったのかを自分で考えることが大事です。

一人前のバロメーターは、板金の技術力はもちろんですが、人一倍の経験を積んでいるかどうかで決まります。

逆に言うと、経験を積んでいけば必ず一人前になれるということが言えます。このことは一人前になるにはある程度の時間がかかるということにもなります。

そう考えると、扱う台数が多く経験をたくさん積める大きな板金店に転職することもひとつと言えますし、小さな板金店のような責任が大きい現場で経験を積むことも考えられます。

ちなみに、板金業への転職時に取っておくといい資格は、車体整備士、塗装技能士、有機溶剤作業主任者、ガス溶接技能者、アーク溶接作業者などです。

まず、車体整備士ですが、車のボディ部分を専門的に学んだうえで取得できる資格です。板金時にボディの形状復元にも役立ち、オリジナルボディ制作時にも必要な知識となります。

次に、塗装技能士ですが、塗装に関する専門的な知識を学んだうえで習得できる資格です。車など金属部品への塗装をするなら塗装技術の中でも金属塗装作業を選ぶのがおすすめです。

次に、有機溶剤作業主任者ですが、車の塗装時に使用する有機溶剤を使用する際に必要となる資格です。有機溶剤とはシンナーなどを溶かす性質をもった有機溶剤で、資格者でなければ扱うことができません。

最後は、ガス溶接技能者、アーク溶接作業者ですが、板金時に溶接を行う際に必要となる資格です。溶接にはガスバーナーを使った溶接とアーク放電を利用した溶接があり、どちらも資格が必要となります。

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まとめ

今回は、板金業界に転職を考えている方向けに、板金業界の基本的なことについてお話しました。

板金業界は、技術力がモノを言う世界です。板金技術が高ければリピーターが増え、リピーターがお客様を連れてきてくれます。

逆に、技術が伴わないとお客様はすぐに離れてしまいます。そのため、常に技術力の向上に努めなければなりません。

ただ、一度身につけた技術はなくなることはありません。日々向上心を持って仕事にかかわることで、どんどん積み重なっていきます。

一朝一夕で一人前にはなれませんが、日々の積み重ねが一人前に近づいているのは間違いありませんので、コツコツと仕事に取り組むことが重要です。