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建設機械の営業の仕事内容は?
建設機械の営業職は、建設機械や工事機材の販売やレンタルが主な業務になります。その他にも、機械メンテナンスなどのアフターサービス、急な機械トラブルへの対応なども業務になります。
メンテナンスやレンタルの場合は、現場で簡単な手入れを行いますので、ある程度の整備技術や知識などが必要となります。普段から機械操作が好きであれば、楽しく仕事ができるでしょう。
もちろん営業ですので、実際に建設機械を使用するお客様とのコミュニケーションも大切な仕事のひとつとなります。お客様の事務所への訪問だけでなく、実際に建設機械を使用している現場に出向き、機械を使用しているオペレーターや現場監督さんと直接話をして、困っていることや要望などの聞き取りを行います。
現場で聞いたお客様の要望を元に、様々な提案や建設機械に関する新しい情報の提供などを行います。例えば、工事の工法や予算に合わせた機械を全てプランニングして提案したり、競合他社をお使いのお客様に自社製品との比較資料の作成し提案たりするなど、お客様の要望に応えるべく、日々行動することが主な仕事内容になります。
建設機械の営業に向いてる人
それでは、どんな人が建設機械の営業に向いているのでしょうか。
①ハートが強い人
建設機械の営業は、現場の職人さんに気に入ってもらうことが働きやすさにつながります。まだ営業の仕事を始めて間もない場合、現場で実際に操作をしている職人さんの方が、自社製品に対しての知識は豊富です。新人のうちは、様々なメーカーの機械を操作してきた経験豊富な職人さんに教えを請いながら、機械に関する知識を増やしていくこととなります。
建設現場は厳しい世界なので、時には営業職にとってつらく感じるケースもあります。
常に危険と隣り合わせの環境の中、決められた工程や工期の中で働いている現場監督さんや職人さんは、気持ちが急いでいることも多いでしょう。
そういう状況なので、コミュニケーションが上手く取れず、ときに怒られたり、嫌われたように感じたりすることもあるかもしれません。
しかし、あきらめないで現場に通い続けることが何より大事です。通い続けることで、徐々に相手からの印象が良くなり、次第に話を聞かせてもらいやすくなります。
お客さんによっては営業マンの人柄で購入を決めるケースも少なくありません。まずは、自分の人柄をアピールしてみるのも方法の一つでしょう。
こういった理由からも、建設機械の営業は、お客様と粘り強くコミュニケーションできるハートの強い人が特に向いている仕事だと言えます。
②人と話すのが好きな人
建設機械はレンタルであったとしても高額な商材です。お客様の立場からすれば、すぐに契約を決断できるものではありません。そのため、営業担当者は普段から地道に現場を回り、お客様とこまめに会話を行うことがとても大切になります。現場のお客様との関係性が売上に大きく関わるため、より丁寧なコミュニケーション能力が求められます。
現場で働いている職人さん、現場監督さんには様々な年代の方がいます。中には、気の荒い人もいるでしょう。
もちろん営業職ですから、既存のお客様だけでなく新規開拓営業も仕事となります。初めてお会いする方にも物怖じせず気さくに話しかけれる社交性があれば、新規開拓営業で活躍できるでしょう。
③想像力豊かな人
建設機械の営業には「想像力」と「気配り」が必要です。営業職に求められる想像力とは、お客様が期待しているニーズはもちろん、お客様自身も気付いていないニーズにもいち早く気づき提案できる能力です。
営業担当者は、お客様と行う日々のコミュニケーションを通じて、お客様の抱えているさまざまな悩みや、目指す理想の結果などを想像します。お客様の希望とずれていた場合、また改めて考え直していくことになります。こういった確認と修正の繰り返しを行うことで、お客様の求める本当のニーズに近づいていくのです。
例
- お客様の立場や役割を想像する
- お客様が日々行っている業務を想像する
- 業務から日々の困りごとを想像する
- お客様の困りごとから解決すべき課題を設定する
- 課題解決のための手段を立案する
- 最適なシステムや機械を考え、それにかかるコストやスケジュールをプランニングする
想像力は、相手を思いやる心でもあります。お客様の状況や気持ちを思いやることで、最適な提案ができるといえます。
相手の欲していることを想像するのが得意な人は、こういった提案営業に向いています。
建設機械の大手メーカーは?
建設機械業界の世界売上ランキングは、大手メーカー2社が不動の地位を築いています。その内の1社は、なんと日本の企業です。
世界に誇る日本の大手建設機械メーカーとは、一体どのような企業なのでしょうか。
大手メーカーの一つは日本企業!新しいビジネスモデルが売りの小松製作所
国内初の農耕用トラクターを生産した小松製作所。世間では、コマツの呼称で知られています。1950年代から、自動車業界よりも早くグローバル化を目指し、海外への輸出や海外工場の展開などを行い、現在も世界中に拠点を広げています。
小松製作所は国内シェア1位、世界シェア2位の実力を持っています。
小松製作所が日本1位、世界2位の大企業になれたのは、「物」から「サービス」を中心にした、新しいビジネスモデル展開に力を入れてきたからです。建設機械にICTと言われる情報通信技術を活用したシステムを導入し、生産性の向上やコストの削減などを実現しました。
小松製作所は建設現場の省人化ニーズに答えるべく、これからも新しい事業の開拓に取り組んでいます。
キャタピラー社は世界1位の建設機械会社
世界シェア1位を誇るキャタピラー社は、「建設機械の巨人」とも呼ばれています。黄色い車体に、「CAT」のロゴマークがプリントされた建設機械を見たことある人も多いのではないでしょうか。
日本キャタピラーは、アメリカにあるキャタピラー社の子会社で、日本各地に拠点があります。
ディーゼルエンジン製造業で世界最大の企業であるキャタピラー社は、世界的に有名な経済誌「フォーチュン」や投資金融情報誌「バロンズ」からも高い評価を得ています。
そして、小松製作所と日本キャタピラー社は、2018年にグローバルウェイ社が発表した「機械業界の働きやすい企業ランキング」で同率1位を獲得しています。世界の最先端をリードする企業は、そこで働く人たちが働きやすい環境作りにも力を入れていることが分かります。
建設機械の営業になるために
では、建設機械の営業になるために、必要な資格やスキルなどはあるのでしょうか。
建設機械に携わるのに持っていると有利な資格
「重機や建設機械に携わりたい」と考えた際、事前に取得しておいたほうが良い資格があります。各種機械操作の専門資格、さまざまな車両を運転するために必要な運転免許証などでしょう。
営業だけでなく、整備などの業務も兼務する場合、こういった資格免許や運転免許証が必要となります。
■機体重量(車両の重さ)によって資格が変わる
機体重量が3t未満の場合は「小型車両系建設機械の運転の業務に係る特別教育」、機体重量が3t以上の場合は「車両系建設機械運転技能講習」という、車両の重量それぞれに分けられた、既定の教育課程を修了することで運転が可能となります。
さらに、使用する建設機械と作業内容によって、「整地・運搬・積込用及び掘削用」「解体用」「基礎工事用」という3種類の資格が必要になります。
どの資格も、取得する方法は建機の教習所で学科と実技の教習を受け、修了試験に合格する必要があります。建機の教習所は全国各地にあります。
■走る場所によって資格が変わる
建設機械を公道で運転する場合は、車両規格に応じて「小型特殊自動車免許」や「大型特殊自動車免許」が必要になります。普通自動車免許をお持ちの方は、小型特殊自動車を運転することができますので、改めて小型特殊自動車免許を取得する必要はありません。 また、大型特殊自動車免許に関しても、既に普通自動車免許があれば、実技講習は指定の自動車教習所にて6時間だけでOKとなります。そして最終的に実技試験に合格できれば、大型特殊自動車の免許を取得することが可能です。
建設機械を操作するための資格は様々あるので、実際に働いてみないと必要な資格がどれか分からないことも多いです。入社後の研修期間に工場へ配属されて、機械の種類や操作方法などを学ばせてくれる企業もあります。
働き始めてから必要な資格を取得するというケースも多いです。その都度勉強しながら資格を取得していきましょう。
BtoBの営業になるために持っておきたいスキル
建設機械業界は基本的にはBtoB(企業間取引)になります。建設機械は、建設業や造園業、林業、畜産、農業など様々な業界で使用されています。建設機械の知識だけでなく、それぞれの業種に関しての知識も勉強しておけば、幅広い業界の要望に応えられるようになるでしょう。
前項「建設機械の営業に向いてる人」でも述べましたが、営業として高い想像力やコミュニケーション力などがあれば、どんな業種でもお客様との取引が円滑になります。
BtoB営業が備えておくべきスキルについて、以下に改めて紹介しておきます。
■想像力
お客様との何気ない会話から、お悩みや要望をくみ取る能力です。お客様が求めている結果につながる、より良い提案ができるようになります。
■企画力
普段からお客様の元へ通うことによって、新たな工事現場などの情報をいち早くつかむことができます。そして、その現場で使用する建設機械を全て提案するという企画力は、売り上げにつながる重要なスキルとなります。
■コミュニケーション能力
競合他社よりも自社の建設機械を選んでもらうためには、製品のアピールだけでなく、お客様との信頼関係構築がカギとなります。相手の立場に立ったコミュニケーションを行える能力が信頼関係を作る近道となります。
まとめ
今回は建設機械の営業について、その仕事内容や免許取得方法、必要なスキルなどを紹介しました。
現場で働くさまざまな職人さんを相手にするということもあり、建設機械の営業職はより高いコミュニケーション力と想像力が求められる仕事だと言えます。
大変なことも多いですが、それだけに達成した時の満足度は、他の営業職にはない感動があります。
車両や建設機械が好きでコミュニケーションを高めたい方は、建設機械の営業にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?