目次
中古車査定士の仕事内容と年収は?
中古車査定士が普段行っている仕事内容について紹介します。
それと併せて、中古車査定士になると年収はどのくらい稼げるようになるのかも説明します。
中古車査定士の仕事内容
中古車査定士の主な仕事は、名前のとおり中古車の買取りや下取りの価格を正しく査定することです。一人の中古車査定士が正しい査定を行うということは、引いては業界全体の不正査定を防ぐことへとつながります。そういった理由からも、中古車査定士という職業は世間が思う以上に社会的意義の大きい仕事なのです。
近年、国内の中古車流通台数は、新車販売台数の伸びと共に増加傾向にあります。ライフスタイルの変化に合わせて、数年おきに車を乗り換える人が多くなってきているのです。それに伴って買取り店のニーズも高まってきているので、より中古車査定士の需要も増加しています。
査定を依頼する側は少しでも高く愛車を売りたいため、ネットなどを利用して、いくつかの買取り店に査定を依頼し、一番高く買い取りをしてくれるお店を探しています。
同じ車でも、年式や走行距離、修復歴の有無などにより、評価額が変わってきます。国内に流通している車は、国産車だけでなく輸入車やクラシックカーなど、さまざまな車種があることに加え、グレードやカスタマイズなどさらに細分化されます。
こういった多様な車種に対応するために、中古車査定士は自動車に関する正しい知識と経験が求められます。それだけに、優秀な中古車査定士というのは社会的にも価値の高い職業だと言えるでしょう。
それでは、実際に中古車査定士がどのようなポイントに気を付けてチェックしているのか、いくつかご紹介します。
■外装(ボディカラー、傷、へこみ)
- ボディカラー
- ボディの汚れ・傷・へこみ ナンバープレート
- ガラスの状態
- ボンネットや天井部分の状態
- ドア、ウィンドウの動作確認
- サンルーフやムーンルーフの動作確認
- テレビ、ラジオのアンテナ
- ヘッドライトやテールランプ
- エアロパーツ
外装の傷やへこみなど、あまり気にならないかもしれませんが、中古車査定士は様々な部分を細かく見ていきます。そして、意外にも査定金額を左右するのはボディカラーです。ニーズがあるカラーは、査定額が高くなる傾向にあります。
■内装(シートの汚れ)
- タイヤやホイールの状態
- タイヤハウスの状態
- 各パーツの傷、へこみ、サビなど
- マフラーの状態
- 車高(サスやショックなど)
- オイル漏れやにじみ
足回りや下回りなどを正しくチェックできるのは、中古車査定士しかいないでしょう。中古車は経年劣化よって状態が異なるため、細かなパーツまで厳しくチェックしていきます。特に車の下回りはサビやすくなっています。
■エンジン回り
- バッテリーの状態
- エンジンの状態
- エンジンオイルの状態
- 車台番号
- 修復歴の有無
- 改造の有無
バッテリーやエンジンに不良はないか、不正改造などはしていないかなど、細かく確認していきます。また、修復歴がある場合は、事前に申告してもらう必要があります。
■その他のチェックポイント
- 年式
- メーカー、車種、グレード
- 走行距離
- 車検の期間
- 車検証、整備記録簿の内容
- 純正部品の有無
- 取扱説明書の有無
- スペアキーなどの有無
年式やメーカー、車種によって査定額は大きく変わります。意外なポイントですが、整備記録簿がしっかり付けられている車は、整備がしっかり行われているとみなされ、評価額が高くなります。カーナビなどの取扱説明書の有無も評価のポイントになります。定期点検の記録が査定額にも大きく影響を与えます。
中古車査定士の年収
それでは、気になる中古車査定士の年収について2つの例を見てみましょう。
ケース①
入社3年目:固定給年額約470万円+インセンティブ(歩合)
ケース②
入社6年目・店長:固定給年額約555万円+インセンティブ(歩合)
給与の支払い方はお店によって異なりますが、中古車査定士の多くがインセンティブ(歩合)を導入しているケースが多いです。インセンティブは成果を上げた分だけ給与額が上乗せされるシステムですので、実力次第ではかなりの高収入を目指すこともできるでしょう。
こういった給与面のシステムも、中古車査定士の大きな魅力といえます。
※企業によっては固定給を高めに設定してある代わりに、インセンティブ(歩合)を低めに設定している企業もあります。逆に固定給を低めに設定して、インセンティブ(歩合)を高く設定している企業もありますので、面接の際には必ず確認しておくようにしましょう。 |
中古車査定士になるには?
中古車査定士になるには、どのような資格が必要なのでしょうか?
さらにその資格を取得するためには、具体的にどういった条件が必要なのかを併せて紹介します。
中古車査定士の資格は2種類
中古車査定士の資格を取得するためには、一般財団法人日本自動車査定協会が実施している「中古自動車査定士技能検定試験」に合格する必要があります。
中古車査定士の資格は、「小型車査定士」と「大型車査定士」の2種類があります。
それぞれの区分は以下のようになります。
小型車査定士
乗用車、商用車および最大積載量4t未満の貨物車が対象。
大型車査定士
上記以外の大型貨物車、バス等
例えば、3tトラックまでは小型査定士の資格で査定を行うことができますが、4tトラック以上の査定は大型車査定士の資格が必要になります。中古車査定士の資格が運転免許証などと違う点は、大型車査定士の資格を持っていても小型車の査定を行うことができないというところです。査定する車両ごとに対応する資格が必要となることを覚えておきましょう。
中古車査定士の資格は、中古車販売や買取り店の従業員だけでなく、自動車ディーラーのセールスマンも、コンプライアンスの観点から取得が義務付けられています。自動車ディーラーで車を購入する際も、今まで乗っていた車を下取りに出すケースは多くあります。その際に正しい査定価格を判断できるように、セールスマンは入社後に中古車査定士の資格を取得しています。
資格条件
2種類の資格を取得するのに必要な条件について、以下に簡単な概要を記載します。
小型車査定士
- 普通運転免許以上の有資格者
- 自動車販売、整備の実務経験6ヶ月以上
- 協会所定の研修(3日間)修了したもの
大型車査定士
- 大型第一種運転免許以上の有資格者
- 自動車販売、整備の実務経験6ヶ月以上
- 協会所定の研修(3日間)修了したもの
どちらの資格も実務経験が6ヶ月以上必要となり、未経験の方が資格を取得することはできません。大型車査定士に関しては、大型第一種運転免許証以上の資格が必要になります。
多いケースとして、小型車査定士の資格を取得した後、大型車査定士の資格を取得するパターンがあります。
試験内容
学科試験は以下の内容で試験を行います。
- 中古自動車査定制度
- 中古自動車査定基準、同細則及び加減点基準
- 自動車の構造、機能及び取扱い
- 保安基準、その他自動車に関する法規
- その他査定に関する事項
実技試験では、査定の実技を行います。
どちらかの査定士資格をお持ちの方や、整備士の資格をお持ちの方は、学科試験の一部が免除になります。
技能検定は、小型査定士は年2回、大型査定士は年1回、各都道府県の協会支所ごとに実施されています。
■申込期間と試験の日程
格の申込期間と日程について以下に記載します。
前期(小型車査定士、大型車査定士)
- 受付期間 : 4月上旬~5月上旬
- 研修会 : 5月~6月に実施予定
- 試験 : 6月中旬
後期(小型車査定士のみ)
- 受付期間 : 9月中旬~10月中旬
- 研修会 : 11月~12月に実施予定
- 試験 : 12月中旬
前期の試験日は、小型車査定士と大型車査定士によって違います。日程も、その年によって多少前後しますので、それぞれの都道府県にある協会にお問い合わせください。
試験の合格率は?
試験の合格率は、8~9割となっており、比較的難易度は高くありません。受験資格の協定所定の研修会をしっかり受講していれば、合格しやすい試験となっています。
資格条件に実務経験が必須であることから、車に関する基礎知識が身についている状態であれば、それほど厳しくないでしょう。試験対策として勉強をするというよりも、日々の業務で培った経験や知識が大切になります。
合格後は、「中古自動車査定士証」が交付されますが、中古自動車査定士証の有効期限は3年となっています。更新の際は、協会が行っている「査定士技能向上研修」を受講し、査定業務を行う店舗に所属しているか確認されたのち、有効期限が更新されます。
中古車査定士の仕事を探すには?
晴れて資格を取得した後は、求人サイトなどを利用して自動車査定士の就職活動を行うこととなります。
その際に役立つのがクルマヤドットネットです。
クルマヤドットネットは、車求人に特化した求人サイトです。資格や職種など細かく検索することが可能で、希望に合った車求人を探すことが可能です。
ぜひ、クルマヤドットネットを利用して、中古車査定士の仕事を探してみてください。
まとめ
中古車査定士の資格は、中古車販売店や買取り店の従業員だけでなく、自動車ディーラーのセールスマンやレンタカーなどの店舗スタッフでも必要な資格となります。資格の取得は決して難しくありませんので、ぜひ実務経験を積んで資格取得を目指しましょう。
これからますます中古車査定士の需要は増えていきますので、ぜひこの機会に中古車査定士としてのキャリアアップをご検討ください。