目次
自動車業界の離職率はどのくらい?
自動車業界の平均的な離職率と、離職率の高い業界について比較します。自動車業界とその他の業界で、どのくらいの差があるのかを見ていきましょう。
離職率はだいたい5%~10%
自動車業界全体で、新卒3年以内の離職率の目安は「約5%~10%」です。これはあくまで「全体」の数値であり、自動車業界の中でも完成車メーカーと関連会社、ディーラーや中古車業界では差があります。
完成車メーカーとは「完成車の製造」を行っているメーカーのことで、関連会社は車両の一部を製造している会社などを指します。完成車メーカーの離職率が「約1%~5%」であるのに対し、関連会社では「約5%~10%」と、完成車メーカーに比べるとやや高くなります。
ディーラーや中古車販売の離職率は、会社や店舗によって大きく変わります。比較的激務であるため、離職率が高いイメージですが、必ずしもそうとは限りません。離職率が高いことを懸念し、会社側がきちんと体制を整えている場合もあります。そのようなところでは離職率を抑えることができているでしょう。また、たとえ離職率が高いとしても高収入を得るためにトップセールスを目指して長く働く方もいます。
文系・理系によって配属部署が異なる場合でも、離職率にはそれほど差はありません。自動車業界は離職率が低い傾向にあり、安定して仕事を行うのに適した業界と言えるでしょう。
離職率が高い業界は?
自動車業界が離職率の低い業界として知られている反面、離職率の高い業種もあります。特に宿泊業や飲食サービス業、娯楽業などでは離職率が30%を超えており、平成15年度~平成25年度までのデータでは、毎年平均40%以上もの離職者が出ています。
(参照:厚生労働省・新規大学卒業者の産業分類別(大分類)卒業3年後の離職率の推移
https://www.mhlw.go.jp/topics/2010/01/tp0127-2/dl/24-19.pdf)
自動車産業では10人に1人程度の離職率ですが、接客サービス業では2~3人に1人の割合で3年以内に離職しています。飲食業界の離職率の高さは、アルバイトやパート従業員などの「非正規雇用が多い」ことも理由のひとつとして考えられます。
正社員として就業している従業員の人数が少ないがために、業務負担が重くなっている可能性があるからです。また、学生アルバイトの頻繁な入れ替わりによる、人手不足や育成の負担もあります。
正社員が少ないことで、土日祝日出勤や有給も取得しづらい環境になり、離職率が高くなる悪循環を生んでいると考えられます。
自動車業界は離職率が低いのはなぜ?
他の業界に比べて離職率の低い自動車業界ですが、離職率が低い理由にはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、その理由について、就業条件面と人間関係などの環境面に分けて解説します。
主な理由
就業条件面で考えられる、自動車業界の離職率が低い理由には、以下のようなものがあります。
- 給料が安定している
特に大手の完成車メーカーでは、年収1,000万円以上の社員もいるほど、安定して高い水準にあります。 - 残業が少ない
企業によっては、平均残業時間が30時間程度と少なくなっています。 - 年間休日120日以上・有給の消化もしやすい
有給消化率90%以上の企業も多く、有給取得をしやすい社内環境であると考えられます。
大手企業を中心に、就業条件は安定している傾向にあります。しかし、関連会社や人手不足の部署では、残業時間が長くなることもあるようです。トータルで見た場合、他業種と比較すると、長時間残業の負担は控えめであることが分かります。
周囲の人がカバーできる環境が整っている
自動車業界は、特定の人しか行えない業務が少なく、周囲のフォローを受けられる環境が整っています。また、大手自動車メーカーでは、働く社員の人数も多いため、マンパワーを活かして業務を分担して行えるのは強みのひとつでしょう。
つまり、有給取得や病欠などで、1人が休暇を取った場面でも、周囲の人間がカバーしやすいメリットがあると考えられます。1人にかかる業務負担を減らして分散させ、残業時間の減少にも役立てることが可能です。
それぞれの従業員が相互にフォローしあえることで、充分な休息時間を取れる環境は、パフォーマンス向上にも役立つ要素です。この「相互補助」を自然に行えることこそが、働く人にとって長く続けやすい「好サイクル」を生み出している可能性があります。
自動車業界で働くために
自動車業界で働くためには、自分の目指したいキャリアビジョンとマッチする職場で活躍できれば、離職リスクを抑えられるでしょう。
ここでは、自動車業界で働くときのポイントについてみていきます。
志望動機を明確にする
求人募集を行っている企業は、応募者がどれだけの熱意を持って、企業に貢献しようと考えているかを見極めながら、採用活動を行っています。
自動車業界であれば「どこの会社でも構わない」という応募者よりも「この仕事がしたいからここで働きたい」などの熱意がある応募者を選ぶのではないでしょうか。
応募者側は、待遇面を重視し、好待遇に惹かれて応募を行う場面もあるかもしれません。しかし、志望動機は「企業の事業内容に惹かれている」と伝わるようなアピールをする必要があります。
企業リサーチを行い、より具体的かつポジティブな志望動機であるほど、評価されやすい傾向にあります。企業に自分の経験や能力が、就職後に活かせることをアピールできると、より熱意が伝わる志望動機・自己PRになります。
しかし、自分の欠点ばかりにフィーチャーしたようなネガティブな理由は、評価を下げてしまう要因になりかねません。自分の持つスキルや能力を冷静に分析し、就職後どのように活かそうと考えているのかを、明確に伝えられるように準備しておきましょう。
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まとめ
自動車業界の離職率の低さは、専門知識を必要とする「技術職が多い」ことも理由のひとつに挙げられます。なぜなら、技術を習得するのには、実務経験を積む必要があるからです。
整備士や自動車検査員などの資格取得には数年かかるため、3年以上働き続けているということが大いに関係しているでしょう。
一度技術を身につけることで、より条件の良い待遇になるメリットがあります。自動車関連業への就職を考えている人は、次のステップへ進むためのビジョンを明確に持つことが大切です。
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