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車のチューニングはどう行うべき?
車をチューニングするといっても、やみくもに手を加えればいいわけではありません。基本や流れを紹介します。
チューニングの基本
チューニングの目的は、特定の道路を走るのに最適な性能の実現です。カスタマイズのように見た目を変えて、自分好みの車にするのとは違います。
一般的に販売されている車は、どんな道路を走っても問題なく走行できるように調節されているものです。本来は性能に大きなポテンシャルを秘めていても、そのままでは発揮できません。チューニングには、このポテンシャルを引き出す役割があります。
カーレースに例えてみましょう。どのチームも先頭でゴールするために、あれこれチューニングして、もともと高性能な各パーツの性能を最大限引き出そうとします。
けれども、そのチューニングはカーレースにこそ適しているものの、他の道路を走るのに適しているわけではありません。カーレースのチューニングは、カーレーサーの腕に頼る一面があり、普通のドライバーが運転すると、コーナーで路外に飛び出したり、横転したりするリスクがあります。
つまり、チューニングをするときは、「その車でどこをどのように走りたいか」というのが前提です。その上でどこに手を加えるか、どんなパーツが必要か決まります。
チューニングの順番
チューニングは1ヶ所に手を加えてどうにかなるものではありません。全体のバランスを見ながら、必要と思われるところに1つずつ手を加えていきます。慣れないうちは試行錯誤を繰り返すかもしれません。
まずはタイヤやホイール、サスペンション、スタビライザーといった足回りをチューニングします。それぞれ、タイヤのインチサイズを変える、ホイールをアルミにする、サスペンションの高さを低くする、揺れ幅の少ないスタビライザーにするなどです。これだけでも乗り心地は大きく変化します。
それでも物足りなさを感じる場合は、ブレーキやマフラーの交換です。ブレーキはパッドやローターを交換すると、フィーリングが変わって意のままにコントロールしやすくなります。マフラーは太くしたり、曲がりを少なくしたりすることで、排気がスムーズになり、エンジンをパワーアップできるでしょう。
エンジンやボディのチューニングは最後です。エンジンのチューニングといえば、かつてはターボのブーストアップやプラグの交換がおなじみでしたが、最近はかなりの部分がコンピューターで制御されています。そこで、専門家にプログラムを書き換えてもらうのが主流です。ボディであればエアロパーツを取り付けて、空気抵抗をコントロールします。
車の主なチューニング
では、具体的にどのようなチューニングをするのか、チューニングをすることが多い3つのパーツについて紹介します。
ホイールの交換
ホイールのチューニングは、素材をスチールからアルミにするなど、重さを軽くするのが一般的です。ホイールが軽くなると、足回りの動きが良くなって、きびきび走れるようになります。燃費が良くなるのもうれしいところです。
見た目にこだわる場合はホイールをインチアップすることもありますが、相対的に重さは増えるため、走りの性能は損なわれてしまいます。チューニングよりもカスタマイズの部類に入るでしょう。
同じアルミ製のホイールでも鋳造と鍛造があり、軽いのは鍛造のほうです。アルミは軽い金属ですが、単に鋳造する(型に流し込む)だけでは強度が低いため、分厚く作ってスチールと同じくらいの重さになるホイールもあります。鍛造は、結合力を高める加工を施して強度が向上しているので、薄くて軽いホイールになるのです。
サスペンションの交換
サスペンションのチューニングでは、純正よりも車高を低くするのが定番です。パーツの中には必要に応じて、高さを調節できるタイプもあります。
サスペンションを下げるのは、車の重心を低くして、コーナーを安定して曲がるためです。重心が高いと、遠心力でコーナーの外側に引っ張られますが、サスペンションを下げた車はこれを軽減できます。同時に車の傾きを抑えられるので、エンジンのパワーをしっかりと足回りに伝えられるのもメリットです。
ときにはバンパーが路面すれすれになるまでサスペンションを下げている車を見かけますが、そこまですると乗り心地が悪くなってしまいます。決して性能が上がるものでもありません。こちらも見た目を重視したカスタマイズといえるでしょう。
サスペンションの交換では、他にもスプリングの動く幅や硬さなどを重視します。
エアロパーツの取り付け
エアロパーツを取り付けるのは、その見た目からカスタマイズではないかと思われがちですが、最適なものを取り付ければ、立派なチューニングになります。その目的は先述のとおり、空気抵抗のコントロールです。
車を走らせているときは、進行方向と逆向きの空気抵抗が発生し、摩擦力によって加速するのを妨げます。このままでは燃費が悪くなりますし、車の性能も発揮できません。そこで車体の形状を工夫して、空気を後ろへとスムーズに送る流れを作ります。
エアロパーツの中でも、フロントやリアに取り付けるスポイラーは、さらに空気が流れやすい作りになっており、より抵抗を減らせるでしょう。
ただし、エアロパーツの中には、逆に空気抵抗を活かすものがあります。それが「リアウイング」です。下向きの空気抵抗(ダウンフォース)を発生させて、車を地面に押さえつけます。これによってタイヤの接地面が増えてグリップ力が高まり、速いスピードで走っても不安定になりません。
車のチューニングに関われる仕事
自分で車のチューニングをするようになると、それを仕事にしたいと思う人も多いのではないでしょうか?実際に「チューナー」という、チューニングを専門とする仕事があります。実際にどんな業務を行い、どうすれば関われるのでしょうか。
チューナーの仕事
車のチューニングはディーラーでするものではなく、自動車整備工場やチューニング専門店で行います。チューニングの中でドライバーが自力で行えるのは少ないので、代わりに実現するのがチューナーの役割です。
来客があれば、どのような車にしたいか聞き取り、チューニングの内容や交換するパーツを提案します。その後、見積書を作成し、同意を得られれば作業に取りかかるという流れです。
実際の作業はチューナーだけで行うのは少なく、メカニックと協力しながら進めていきます。他の来客もあるため、常に複数の作業が同時進行です。
チューニングが終わったら、実際に周辺の道路で試運転を行います。そこで問題なければ、納車して完了です。
チューナーの仕事に就くには
チューナーの仕事はメカニカルと共通する部分が多いため、二級自動車整備士の資格は必須です。専門学校を卒業して実務を経験しながらチューナーを目指すことも可能ですが、大学で機械工学や電気工学を学んでおくと、理論に基づいたチューニングができるようになるでしょう。
また、チューニングの仕事では客の要望をいかに実現できるかが問われます。余さず聞き取るためには、コミュニケーション能力が欠かせません。
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まとめ
車のチューニングは、どのような車にしたいか方向性を決めて、必要なパーツの交換や調整を行います。仕事にするのであれば、自動車整備士の資格を取得して、自動車整備工場やチューニングの専門店で勤務しましょう。