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運行管理者の仕事内容とは?
運行管理者は、運送会社でドライバーが安全に運行できるように、指示・管理するのが主な役割です。例えば、時間割を作成したり、点呼して健康状態をチェックしたり、休憩や睡眠できる施設を管理したり、運転や貨物の積載についての指導を行ったりします。
ほかにも、運転日報やタコメーター(運行記録計)、運転者台帳などを管理する業務があり、いずれも貨物自動車運送事業輸送安全規則の第20条で指定されているものです。
運送会社は所有する事業用自動車の台数によって、運行管理者を配置する義務があります。例えば貨物を運搬するトラックであれば、29台までなら1人必要、30台から59台までは2人、というように30台程度増えるごとに運行管理者を1人ずつ追加しなければいけません。
運行管理者になるには試験に合格して資格を取得しなければいけませんが、運行管理補助者であれば、国土交通省が認定した講習を受ければなれます。ただし、行える業務は点呼や運行指示に限られ、いずれも運行管理者の判断を仰がなければいけません。また、点呼できるのは1ヶ月に行われる回数のうち2/3までとされています。
運行管理者になるためには?資格取得までの流れ
運行管理者になるには、試験に合格して「運行管理者資格者証」を取得しなければいけません。どのような手順なのか流れを見てみましょう。
試験を受けて資格を取得
運行管理者の試験は年に2回、3月と8月に行われています。試験を行うのは、国土交通大臣より実施機関として認定された「運行管理者試験センター」です。
受験するには、試験日までに運行管理者基礎講習を修了しているか、運行管理補助者の実務経験が1年以上あることが条件となります。
運行管理者の指導講習はNASVA(自動車事故対策機構)で行われており、基礎講習と一般講習、特別講習の3種類があります。
基礎講習は、初めて運行管理者の業務に就く人が受講するものです。一般講習は、すでに運行管理者や運動管理補助者として業務に携わっている人が対象になります。特別講習は、行政処分を受けた事業所の運行管理者が受講するものです。
申し込みにあたっては、顔写真と運転免許証などの本人確認書類が必要になります。さらに基礎講習を修了している人は「基礎講習修了証」か「運行管理者講習手帳」、実務経験だけで受ける人は実務経験承認者からの確認メールが必要です。
受験料は6,000円(非課税)ですが、採点結果を通知してもらうと200円、インターネットから申請すると660円、「おまかせ申請」を利用すると2,000円が上乗せされます(いずれも税込、2020年2月現在)。おまかせ申請は、郵送でインターネットの手続きを代行してもらうもので、コンビニ決済で支払えるようになるため便利です。
試験を受けずに取得する方法
運行管理者資格者証は、試験を受けなくても取得する方法があります。条件は運行管理補助者の実務経験が5年以上あって、基礎講習を1回、一般講習を4回受講していることです。
講習は1年に何回も行われますが、カウントされるのは年に1回だけなので、取得するまでには最低でも5年かかります。また、カウントが始まるのは基礎講習を受けてからなので、それ以前に一般講習を受けても対象外です。
実務経験については、勤務先の事業者による証明が必要になります。証明といっても「運行管理に関する実務経験証明書」に必要事項を記載してもらうだけです。ただし、複数の事業所にまたがる場合は、それぞれに証明が必要となります。
手続きの窓口は運輸支局です。承認されると運行管理者資格者証が発行されます。
資格取得までの流れ
試験の申し込みは3~4ヶ月前に行われ、結果が発表されるのは試験終了後1ヶ月以内です。試験結果は運行管理者試験センターのサイトで公表され、全員に試験結果通知書が送られます。申し込みの際に採点結果の通知を希望していれば、一緒に送られてくるでしょう。
合格したら、所定の書類を揃えて3ヶ月以内に運輸支局で手続きを行います。「運行管理者資格証」が発行された後、事業所で選任されると、晴れて運行管理者になれるという流れです。
1回取得した運行管理者の資格に期限はありませんが、悪質な法令違反があった場合は、運行管理者資格証の返納を求められます。また、2年に1回、運行管理者の一般講習を受講しなければいけません。
運行管理者の試験内容と合格基準!合格するためには?
運行管理者の試験は、合格率が20~30%と難易度は高めです。合格するには、どのような勉強をすればいいのでしょうか。
運行管理者の資格試験は貨物と旅客の2種類に分かれている
運行管理者の試験は、貨物と旅客の2種類に分かれています。貨物は貨物をトラックで輸送する業務、旅客は旅客をバスやタクシーなどで運送する業務が対象です。出題範囲が異なるので、事業所の業務と合っていなければ、合格しても運行管理者にはなれません。
全30問で、両方とも出題されるのは、道路運送車両法(4問)、道路交通法(5問)、労働基準法(6問)です。運行管理者が業務を行う上で必要な知識や能力(7問)も出題されます。さらに貨物では貨物自動車運送事業法、旅客では道路運送法(各8問)が試験の範囲です。これを90分で回答します。
合格基準
回答はマークシート方式で、30問中18問以上正解すると合格です。ただし、各科目に1問以上(運行管理者が業務を行う上で必要な知識や能力は2問以上)正解していないと、たとえ18問以上正解しても不合格になります。つまり、苦手な科目を捨てることはできません。
合格するためには?
運行管理者の試験内容は基礎講習でも学習しますが、それだけで合格するのは心もとないでしょう。市販のテキストや問題集を購入して勉強するほうが良さそうです。いずれにしても、時間が経つほど法改正によって知識が通用しなくなる恐れがあるので、勉強したら早めに受験を受けることを推奨します。
「運行管理者が業務を行う上で必要な知識や能力」以外は、法律からの出題になるので、難しく感じるかもしれません。深く考えず、正確に暗記することに専念しましょう。特に〇日、〇時間、〇回といった数字は、よく出題されるので、確実に覚えておきたいところです。
テキストを読んだ後は、できるだけ過去の問題を解いて、間違ったところを復習するのを繰り返します。知識を定着させるためにも欠かせません。本番では長文の問題を解かなければいけない場合もあるので、出題形式に慣れておく必要があります。
独学で合格する自信が無い場合は、対策講座を受けるのがおすすめです。運送会社や行政書士事務所などで行われています。受講するときは、貨物向けなのか旅客向けなのかをあらかじめ確認してください。
試験では、ちょっとした言葉や数字、言い回しの違いによる引っかけ問題があります。落ち着いて問題文や選択肢に目を通し、誤答を防ぎましょう。
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まとめ
運行管理者は、事業用自動車の運行やドライバーを管理する仕事です。運送会社は事業用自動車の台数に応じて、運行管理者を配置しなければいけません。運行管理者になるには、試験に合格するのが早道ですが、運行管理補助者として実務経験を積むという方法もあります。